高収入ノーリスクを謳って、いざ現場へ辿りついたら話は違って犯罪の片棒をかつがされ、一生を棒に振る羽目に……と社会的な問題になっております「闇バイト」詐欺。騙す人が100%悪いのは明白ですが、あえて騙されたふりをして減刑を図ろうとする不届き者もいるだろう中で、手を出してしまえば実刑は免れません。
リテラシーを向上させましょう!
闇バイトや詐欺に引っかからないようにするためにはあらゆる分野のリテラシーを向上させることが一番の対策だと思われます。
本来の意味だと「文字を読解し、正しく書き示す」能力のこと。
現代になって「情報リテラシー」「メディアリテラシー」「ITリテラシー」など関連しあいながら派生しており、これらの用語において共通するポイントは知識や経験、情報などから真偽を見極め選び取る力を指します。
このリテラシー向上にあたっての具体的な対策が何かというと、「常に、多角的な情報を集め続けること」「常識だと侮らず、世代や役職を問わず、定期的に基礎を見直し浸透させること」です。
「うまい話しには裏がある」ことに疑惑を感じない人はいないと思うのですが、詐欺のプロは安心させる手法をたくさん持っているので「今すぐにでもお金がほしい」といった元々の不安が上回るように背中を後押ししてしまえば、一発で引っかかってしまうのですよね。
闇バイトではありませんが実際のセキュリティ詐欺の事例をご紹介します。
小売業アルバイトの被害事例
とある女性アルバイトがPCを使用していた時のこと。
「このPCはトロイの木馬に感染しました!今すぐMicrosoftへ連絡してください!」とけたたましいエラー音とともに警告が表示され操作不能状態に。
今すぐ対応しないと!と危惧した女性アルバイトは、PC上に表示されている電話番号へ連絡。
外国人男性へと電話がつながり、案内のままにリモート接続を許可。
しかし動きが不審であることを懸念した社員が即座に情報セキュリティ部門へ架電し、相談。
情報セキュリティ部門から「それは詐欺です!今すぐ電源ボタンを長押ししてシャットダウンしてください!」と指示。速やかに接続を切断、リモート対応はストップされ、警察への通報へと至った。
その後、情報セキュリティ部門にて導入済のクラウド型セキュリティサービスにてPC操作履歴を閲覧、情報流出前段階であることを確認。PCを初期化して事なきを得るとともに、再発防止策としてアルバイトを含めたセキュリティ啓蒙活動を実施した。
IT業界で有名な偽サポート詐欺です。Microsoftからも注意喚起と対策ページが公開されています。
「こんなん引っかかるわけないやん」と侮っていたら、知識のない人が騙されているのが現状です。
多角的に情報を取得する
闇バイトや偽サポート詐欺などに共通することは「安心や安全、メリットのある情報を提供しますよ」と、無知な人に対して情報を提供しようとする点にあります。つまり、詐欺じゃないかどうか疑う心を持つ前に説得して信じさせてしまうことが彼らの成功事例です。
- 情報提供側(詐欺側)からの提案を鵜吞みにしないこと
- 日頃からニュースに触れて情報収集をすること
- 焦らず落ちついた環境下で有識者へ相談すること
などなど、自分ひとりで判断せず、多角的に情報を取得して判断することが重要です。
IT業界にいる我々も決して他人事ではありません。常に情報を取得して、正しい情報を広めることを怠らないよう心がけてまいります。