インプレッション数(閲覧回数)を稼ぐために迷惑な投稿を繰り返すアカウント=インプレゾンビ。コミュニケーションツールとしてだけではなく広告メディア化したSNSで最近よく見る単語です。人気の投稿に便乗して関連性のないリプライをくっつけたり、流行りの言葉を書き連ねながら無関係な動画でフィッシング詐欺へとつなげていたりと迷惑なものが多く辟易としているユーザたちの声から命名されたようなのですが、最近おもしろいことが起きています。
X(旧Twitter)において、アラビア語文化圏のインプレゾンビに対して、日本のあるユーザが1つのリプライを送りました。
「日本語と一緒においしいごはんを載せて紹介するんだ」
すると、なんということでしょう、今までゾンビと揶揄されていたユーザが「現地のおいしいものと文化を発信する人間らしいアカウント」へと変わり、フォロワー数が1万人以上に増加するという劇的ビフォーアフターを遂げたのです。
X(旧Twitter)の世界的ユーザ数として日本は2位。そして日本は「最も幸福を感じる時はいつか」というアンケートに対し「おいしいものを食べた時」が第1位にランクインするお国柄。島国で外国語が苦手な傾向にあるということもあるからか、国外の美味に対する興味はひとしおだったようですね。
これってビジネスの基本なんじゃないでしょうか。
X(旧Twitter)という市場において、潜在的ユーザ(顧客)に対し、興味度の高いコンテンツを提供する。Win-Winの関係を築きあげたことで成功につながった目覚ましい例です。すでに同じことを真似しているアカウントが乱立していることや、飽き性の日本人の性質を見ると、長く続くブームではないかと思います。ですが、今までただ「稼ぎたい」だけで一方的な押しつけをしてきていたユーザが「相手のことを知った上で、自分のことを理解してもらう」ために自己研鑽し、実行したことで相乗効果が生まれていることからも非常に健全なビジネスが成立していて拍手を送りたくなります。
エクステックでも、いいシステム作ってるんですよ~!!と文字を大にして伝えたいところですが、見ていただけている人がいなければ文字の大きさも伝わらない。職人気質な弊社ではございますが、せめてブログを通じて会社のよいところをPRし続けたいなと思うのでした。
(2024年5月22日 杉本)