チームワークとチームビルディング、似ているような違うような2つの用語。組織の問題が起こっている場合、この違いによって発生している場合があるかもしれません。この違いについて考えてみたいと思います。
(2022年8月29日 企画推進室)
チームワークとチームビルディングの違い
チームワーク(teamwork)とは集団に属しているメンバーが同じ目標を達成するために行う作業、協力、意識、行動など。
Wikipediaより引用
チームワークは、集団が同じ目標を達成するために行う行為をさす言葉のようです。
一方で、チームビルディングについてですが、明確な定義が見つけれられませんでした。
ホーソン研究にさかのぼる組織行動論から発達した考え方のようですが、近年では以下のように捉えられている場合が多いようです。
個人とチームの能力やスキルを最大限発揮することに重点を置き、チーム作りを行う方法
チームワークとの違いですが、イメージで言えば
チームワークは単なる共同作業、もしくは個人の弱点を補う事に対して、チームビルディングは個人の強みを活かしてチームを創り上げる事、でしょうか。
組織の問題となる要素として
- 個人の能力
- 組織構造
- 関係性
の3つを上げる事ができます。
「組織構造」は、部長や課長、チームリーダーといった上下関係や横の関係、評価なんかも含めた制度に関する事です。
「関係性」とは個人同士の関係。コミュニケーションと捉えるとわかりやすいですね。
組織の問題を捉えるとき、この2つにフォーカスする事が多い気がします。しかし、この2つだけでは「チームワーク」の状況を改善しようとしているにすぎない気がします。
例えば、ある作業を割り振りたいけど手が空いている人がAさんしかいないとします。
とりあえず、Aさんの先輩にフォローを頼みつつAさんにその作業を割り振ります。
しかし、作業は遅々としてすすまず、フォローする人も忙しさにかまけて満足にフォローできていませんでした。
こんな時、フォローする人との連携方法を密にする、Aさんの上司もフォローに加わる、といった対応を行ったりする事はよくある事です。
しかし、よくよく考えると個人の能力が考慮に入っていませんね。
この作業が重要であるなら、そもそもこの作業が得意な人に任せる必要があったのかもしれません。
もしくは、この作業に関するスキル面の教育、といった発想が必要だったのかもしれません。
「チームが上手く回っていない」と感じた時、「チームワーク」をなんとかするという発想から「チームビルディング」が出来ていないのかも、という発想が必要になってきます。
チームビルディングの成長段階としてに心理学者のブルース.W.タックマン博士が考えた「タックマンモデル」という有名な理論があります。
「タックマンモデル」ではチームビルディングとして、以下の5段階に分類しています。
- 形成期 (Forming)
- 混乱期 (Storming)
- 統一期 (Norming)
- 機能期( Performing)
- 散会期(Adjourning)
チームが形成される「形成期」、ぶつかり合う「混乱期」を経て、信頼関係、尊重しあえる関係が出来上がる「統一気」、そして個人と組織が最高のパフォーマンスを発揮する「機能期」に達し、やがてチームが終焉を迎える「解散期」となります。
自分のチームがどこの段階かを考えながら効果的な対応方法を行う事で、より効率よくチームビルディングが行えるようです。
うちの組織は・・・まだまだ成長の余地がありそうですね。