みなさん、周囲へ相談できていますか?そして「自分が困っていること」以外にも目を向けられていますか?相談が苦手な画面ごしのあなた様、ようこそいらっしゃいました。
よかれと思ってひとりで進めて頑張っていたら思いもよらないトラブルに巻き込まれ、どうしようもなくなってきた段階でいざ報告したら「どうして相談してこないの?」「なんで相談してこなかった!」と責められた経験がある方はちょっとここで一緒に考えていきませんか。
相談することへの抵抗感
よく聞く心のセリフ集を例として出してみます。
Aさんの場合
誰かに助けを求めるのは気が引けちゃう……私なんかが声を出しても、場の空気を乱すかもしれないし、グッと我慢しよう……
Bさんの場合
反対意見が面倒くさいなぁ……時間がもったいないし、こうした方が明らかに効率いいし、みんな納得してくれるだろ
Cさんの場合
なんかこれマズそうな気がするんだけど確証はないし、上司さんあいまいなこと言うと怒鳴るんだよなぁ……困らせちゃうのも嫌だし、もうちょっと調べよう……
これらの共通点は「自分の意見を受入れてもらえないことへの不安、自信のなさ」からきています。「否定されるのが怖い」という感情から「自分の心を守る」ために「やらない理由付けをして正当化」しているのです。
長期的に見たらデメリットがあることが分かっていても恐怖心から行動できない。歯医者さんが苦手な方の虫歯治療のようなものですね。
相談しなかったらどうなるか
Aさんの場合
実は周りも同じことで困っているケースを見過ごすことがあります。仮に1つの環境ではAさんだけが困っていたとしても、視野を大きく広げてみると同じことを思っている人はいるのです。みんなが損をして我慢している期間が長引くと、健全な組織とは言えません。
Bさんの場合
他に同じことをやろうとしている人がいることに気づけず時間と予算を無駄にすることがあります。根回しが足りず、独りよがりになってしまって、周りが求めていない結果を押しつけてしまいかねません。周囲の同意をもらえず反発を食らうと、今後の信頼関係にも影響が出ます。
Cさんの場合
自身では気づけない領域で問題が進行しており、実は緊急対応の寸前だったことが判明する場合があります。気づいた時点で行動していれば防げたかもしれないことが更に拡大して爆発してしまっては意味がありません。Cさんのせいではありませんが、相談ができない環境要因を放置した結果でもあります。
相談したらどうなるか
気づきを共有することで改善のキッカケとなります。これはどんな場合でも共通することだと思います。物事は多角的にみる必要があると言えど、人間の視野や思考には限界があります。相談するということは、あなたの視点で気づいた発見や状況を共有するということなのです。
例え過去に議論されていて棄却された内容であっても、時間が経過すれば判断材料も変わってきます。
人は完全ではありません。足らない存在だからこそ、補完しあって生きているのです。人によっては「こんなことも1人で決められないのか」と言われることを予想してプライドを傷つけることもあるでしょう。残念ながら、必ずしも望み通り改善されることはないこともあります。しかし、周囲が「知らない」「気づいていない」ことを知らせるという行為そのものが、社会生活を支えあっている私たちにとっては大きな利益へとつながるのです。
相談するコツ
そうは言ってもどう相談したらいいのか分からないよ。といったご意見もありますよね。大丈夫です。やり方を覚えてしまえばよいのです。
ポイントは「相手を大事にしながら、自分を大切にすること」です!
Aさんの場合
もしかすると私だけかもしれないのですが、こんなことがあって。同じようなことで困っている方はいませんか?
Bさんの場合
僕から提案なのですが、こうすると効率がよくなって皆さんにとってもいいと思うんです。ただ、僕だけの視点で決めちゃうのも悪いので、意見を聞かせてもらえませんか?
Cさんの場合
先輩、上司さんに報告する前に聞いてもらえませんか。確証はないのですが、なんだかここの動作が怪しくて。ただ、自分の知識量だと全体に影響するのか、時間をかけて調査していいのか判断ができなくて困っているんです。一緒に見ていただけませんか?
会社でも私生活でも「Win-Win」の関係性づくりは重要です。そして相手の考えは基本的に読めないものです。推測だけで自己完結する前に、まずは言葉にして自分の状況を伝えてみること。言葉にする時に、相手にどう伝えたら受けとってもらいやすいか、ポジティブに捉えてもらえるかを考えて組み立てましょう。
自分の意見と、他人の意見は分けて話すこと。相談相手が適切であるか、状況を見て検討することも大事です。誰にどんな風に相談したらいいのか分からない時は、そのことを信頼できる人に相談すればよいのです。
相手や周りの環境が勝手に変わってくれるのを期待するよりも、自らの行動を変えることで得られることの方がメリットは大きいです。
ひとりで抱え込まず、相手を信頼して上手に頼ってみてくださいね。