「いまさら聞けない生産管理とは」第2回という事で、生産形態について解説したいと思います。
(2021年8月23日 企画推進室)
生産形態
受注生産とか、見込生産とか、個別生産とか、色々な「XX生産」という言葉がありますよね。
まずはここから解説していきます。生産形態について、JISの定義を見てみましょう。
与えられた市場,経営,技術などの環境条件のもとで生産を行う形態。
備考
生産形態は製品,製品構成の特性によって次のように区分できる。
a) 生産時期:見込生産,受注生産
b) 生産品種・生産量:多種少量生産,中種中量生産,少種多量生産,変種変量生産
c) 生産指示:押出し型,引取り型
d) 加工品の流れ:フロー型,ジョブショップ型など
e) 生産方式:個別生産,ロット(バッチ)生産,連続生産JIS Z 8141 生産管理用語 番号 1202
いろいろな分類による定義がされています。今回は
a) 生産時期
b) 生産品種・生産量
e) 生産方式
について、くわしくご紹介いたします。
生産時期による分類
1.受注生産
顧客が定めた仕様の製品を生産者が生産する形態。
備考
見込生産を改めて,受注生産の特徴を取り込んだ生産形態にすることを受注生産化という
JIS Z 8141 生産管理用語 番号 3024
顧客から注文を受けて生産をする形態の事です。完成品の在庫をほとんど持たずに、完成後すぐに納入する場合が一般的です。
2.見込生産
生産者が市場の需要を見越して企画・設計した製品を生産し,不特定な顧客を対象として市場に出荷する形態。
JIS Z 8141 生産管理用語 番号 3023
需要を予測して、生産しておく形態です。需要予測の精度が重要で、予測が外れると過剰在庫が発生したり、品切れを起こすことになります。
品種と生産量による分類
1.多品種少量生産
多くの種類の製品を少量ずつ生産する形態。
JIS Z 8141 生産管理用語 番号 3212
2.中品種中量生産
多品種少量生産と少品種多量生産の中間。
3.少品種多量生産
多品種少量生産の逆で、少ない種類の製品を大量に生産する形態です。
4.変種変量生産
生産する製品の種類、量が生産の都度変化する生産形態です。生産量・種類を変動的に生産する「多種少量生産」とも言えます。目まぐるしく変わる時代のニーズに応じた生産形態です。
生産方式による分類
1.個別生産
個々の注文に応じて,その都度1回限りの生産を行う形態。
JIS Z 8141 生産管理用語 番号 3208
オーダーメイドの製品や、船舶、化学プラント等の機械設備が個別生産の代表例です。
2.ロット(バッチ)生産
品種ごとに生産量をまとめて複数の製品を交互に生産する形態。
備考 断続生産 (intermittent production) ともいい,個別生産と連続生産の中間的な生産形態。
JIS Z 8141 生産管理用語 番号 3209
品種ごとに生産量をロットとしてまとめて、段取を行って交互に生産する方式。1つのロットで生産する製品の個数をロットサイズと言います。この方式では段取時間の短縮が重要な課題となります。
3.連続生産
同一の製品を一定期間続けて生産する形態。
JIS Z 8141 生産管理用語 番号 3210
生産ライン上で連続的に生産する方式で、ライン生産方式とも言います。
受注生産であれば、個別生産が一般的と言えますし、見込生産であれば少品種多量生産、連続生産が一般的と言えるかもしれませんが、他の組み合わせのケースのあります。
こういった生産形態を踏まえた上で、具体的な管理手法を実施していく必要があります。