過去にコミュニケーションセミナーに参加した事がありますが、振り返ると「本質的な問題」を解決できないものが多かったと思います。何が足りていないのか、何を身につければいいのかを考えてみました。
(2021年5月24日 企画推進室)
コミュニケーション能力を上げるためには
セミナーで教わる内容というのは、テクニックに偏った内容が多いのだと思います。
数時間のセミナーで教える事ができるもの、受講者が満足できるものとなると、必然的に即効性のあるテクニックという事になってしまうのかもしれません。
傾聴のテクニックや、雑談力、アイスブレイク、ファシリテーション、etc・・・
確かに、このようなセミナーで教えるようなテクニックを知ることによって、コミュニケーションスキルが高くなる人もいると思います。
また、こういったテクニックを身につける事は必要だと思いますし、スキルを学ぶ事は非常に意味があるとも思います。
しかし、テクニックを手にしてもコミュニケーションに関する悩みを解決できない人が多いのではないでしょうか。
コミュニケーション能力を上げるために「本当に必要なこと」はテクニックを学ぶことよりも、その根本である「信頼関係を築く」事なのだと気付きました。
「信頼関係を築く」という言葉は、抽象的なため、具体的にどうすれば良いかが難しいかもしれませんが、
重要な事は「相手が大切に思うことを自分も同じように大切にするにする」という事だと思います。
デール・カーネギーの著書である『人を動かす』では「人を動かす3原則」として次のように書かれています。
率直で、誠実な評価を与える
人間は皆、「重要な存在になりたい」という欲求を持っている。人間は誰しも、集団の中で特別な位置を築き、重要なピースであるということの自覚を持ちたいと思っている。
批判も非難もせず、苦情も言わない
まずは盗人にも五分の理を認めるというものです。たとえ盗人のような人でも、「自分が間違っている」とは認めたくありません。そんな人に正当な批判を加えたとしても無意味であり、状況を悪化させるだけです。
強い欲求を起こさせる
人を動かす唯一の方法は、「その人の好むもの」を問題にします。つまりその人が何を欲しているのかを考え、それを手に入れる方法を教え、相手の利益と自分の利益を一致させることです。
誰かと円滑なコミュニケーションをとるためには、その人の「重要な存在になりたい」というニーズを満たしてあげる必要がある、という事です。
そして、「相手が大切に思うことを自分も同じように大切にするにする」事で、相手のニーズを満たす事ができるという訳です。
簡単に言ってしまえば「相手を大切にする」と要約できるかもしれません。
例えば、部下が上司からきつい言い方をされた場合に、「自分は大切にされていない」と感じてしまうかもしれません。
一方、上司からすると、部下の仕事の方法や報告の上げ方が、自分のスタンスと異なる時に「あまり自分に気をつかっていない、自分の事を重要視していないな(大切にしていない)」という思いから、つい口調になってしまうという事があります。
人間関係に関する問題は相手の価値観や大切にしていることを「大切にできていない」ことから生まれているのかもしれません。
「相手が大切にしていることを大切にする」という事を意識して、相手と接してみてはいかがでしょうか。