プログラマー35歳定年説というのを聞いた事はあるでしょうか?新しい技術がどんどん生まれるIT分野において、バリバリ活躍できるのは35歳ぐらいまで。年を取ってくると開発の現場では役に立たなくなってくるので管理職や営業職に回されてしまい、エンジニアとしては定年である、という説です。この説は正しいのでしょうか。だとすれば、どんなキャリアプランを描けばいいのでしょうか。
(2019年8月19日 企画推進室)
システムエンジニアとして生き残れますか?
結論から言えば、「プログラマー35歳定年説」は都市伝説です。しかし根も葉もない噂という訳でもありません。
日本ではプログラマーからシステムエンジニアというポジションに変わる事が多いですが、40歳でも50歳でも、バリバリプログラミングをしている方をたくさん目にしています。一方で、管理業務や営業的な事しかしなくなったエンジニアという方もたくさん目にしています。
次々出てくる新しい技術と、陳腐化する自分の知識。経験の差だけで若手に必ず勝てるとは言い切れないのです。年齢と共に高い技術を要求されるようになるのですが、技術力で若手に抜かれてしまうシステムエンジニアは、やはり周りから厳しい目で見られてしまいます。
そうなると、システムエンジニアとしては定年を迎えた、と言われても仕方がないかもしれません。
何か差別化できる特出したスキルがあれば良いのですが、「システムエンジニア」として、将来まで生き残れるようなスキルを持っている、と自信をもって言えるのは一握りの人では無いでしょうか。
では、どうすれば「システムエンジニア」として生き残れるのでしょう。
いろいろな職種がAIに取って変わられる時代において、10年後も生き残っていくためにはどうすれば良いのか。
元リクルートの藤原和博氏が、「100万人に1人、オリンピック金メダリスト級の希少性のあるレアな存在」になれば良い、と語られています。
「オリンピック金メダリスト級の人材」と聞くと「さすがにそれは無理」と思うかもしれません。
まずは100人に1人のレベル
まずは、レベルを落として100人に一人の人材を目指しましょう。そのために、とにかく何かの専門分野を極めてしまえば、概ね100人に一人の人材と言えると思います。
マルコム・グラッドウェルが指摘した「1万時間の法則」というものがあります。これはどんな人でもその分野に1万時間の労力を投下すればその道のプロになれる、とするもの。普通に働いて年間1500時間以上仕事をする訳ですから、概ね7年もすれば、1万時間超。一つの分野に7年打ち込めばその分野を極めた、100人に1人レベルになる事ができます。
Javaや.NETといったプログラミング言語、データベース、テスト、インフラ・・・なんでも良いので、まずは7年程度打ち込んでみましょう。
真剣に7年も打ち込めば、もう立派なプロです。ランダムにビジネスマン千人集めれば、その道に関してはトップ10に入るといっても過言ではありませんね。それから、2つ目の武器を身に付けましょう。例えば「システムエンジニア」の別の領域を同じように7年続ければ、その分野で100人に1人のレベルになります。
そうして「プログラミング」と「テスト技法」を極めた「システムエンジニア」では、1/100 × 1/100 = 1/10000 。つまり1万人に1人の人材になります。
それから、さらにもう一つのスキルを身に付ければ・・・
「プログラミング」と「テスト技法」と「会計知識」を極めた「システムエンジニア」は100万人に1人の希少な人材となる訳です。この掛け合わせがユニークであればあるほど、レア度が高くなるのは想像できるのではないでしょうか。
例えば「プレゼン技術」、「ウェブ解析」、「マーケティング知識」・・・
「システムエンジニア」という言葉からは想像しにくいスキルを掛け合わせれば、そのレア度は非常に高くなっていきます。
会社のブランドではなく個人のスキルで戦えるようになれば、「システムエンジニア」として生き残っていく事ができるではないでしょうか。