今回は「心に潜む7種類の思い込みオウム」についてお伝えさせていただきます。これはポジティブ心理学者の第一人者であるイローナ・ボニウェル博士が述べられた事で、「物事の捉え方にはパターンがあり人はそのどれかを根底に持っている」との事です。あなたも、心のオウムが囁く事はありませんか?
(2021年2月15日 企画推進室)
7種類の思い込みオウム
とても忙しのに関わらず上司から仕事を押し付けられた時、どんな気持ちになりますか?
こんなに忙しいんだから他の人に頼むべきだ、と憤りますか?自分ばっかり大変な目にあう、と落ち込みますか?
ある出来事でネガティブな感情になった場合、その出来事に対する捉え方として次のような7種類のパターンがあるそうです。
①批判オウム
他人を批判しがちで、曖昧な状況を嫌う。白黒ハッキリさせたいタイプ。周囲に不満を持ちやすい。
②正義オウム
何が公平で、何が正しいかを気にしがち。「○○すべきだ」という思想を持っている。
③負けオウム
自分と他人を比較し、落ち込むことが多い。比較されること自体を恐れ、人前に出ることも避ける。
④あきらめオウム
自分で状況を変えられると思っておらず、「自分にはできない」と決めつける。
⑤心配オウム
将来に対して悲観的で、何かうまくいかないことがあると全てがうまくいかないのでは? と思ってしまう。
⑥謝りオウム
問題が起きると、自分を責めやすい。自己評価や自尊心を下げる
⑦無関心オウム
何事にも「我関せず」の立場をとる。面倒なことを避けようとするため周囲の意欲を喪失させる
あなたは心の中にどのオウムを飼っていますか?
ネガティブになったとき、心のオウムが「○○すべきだ」と、囁くのかもしれませんね。
認知の歪み
この7種類のオウムの例えは、以前におつたえした「認知の歪み」にとても似ていますね。
認知の歪みとは、精神科医アーロン・ベック、デビッド・D・バーンズが提唱したもので、「誇張的で非合理的な思考パターン」として次の10パターンを挙げています。
全か無かの思考
行き過ぎた一般化
心のフィルター
マイナス思考
論理の飛躍
拡大解釈、過小解釈
感情の理由づけ
~すべき思考
レッテル貼り
誤った自己責任化(個人化)
バーンズ博士は、この歪んだ考え方がマイナスの気分を生み出すと述べています。そして、著書の中でこれらの認知パターンを学び、かつ除去する方法を記しています。
この認知の改善に関する技法が「認知行動療法」となります。(「認知行動療法」については、別の機会に触れたいと思います。)
不安な気持ちやイライラした時、怒りがこみ上げた時、ネガティブな気分になったりしたとき、なぜそんな気分になるのか。その考え方は7種類のオウムが囁いたものではないか?(もしくは認知の歪みではないか?)と、一旦自分の考え方について見つめてみる練習をすると良いとされています。
7種類のオウムや認知の歪みといった考え方は、知識として知っているだけで、ネガティブな気持ちになったときの助けになるかもしれませんね。