11月21日、平成30年度秋期情報処理技術者試験(経済産業省所管、10月21日(日)実施)のうち、情報セキュリティマネジメント試験と基本情報技術者試験の合格者が発表されました。同時に合格者の属性も発表されていますので、どのような方の合格率が高いのか、見てみたいと思います。
(2018年11月26日 企画推進室)
合格者に関する情報
IPA(独立行政法人情報処理推進機構)のプレスリリース によると
・情報セキュリティマネジメント試験は、応募者数19,692名、受験者数15,579名、合格者数7,220名、合格率46.3%
・基本情報技術者試験は、応募者数82,347名、受験者数60,004名、合格者数13,723名、合格率22.9%
との事です。
応用情報技術者試験
ITストラテジスト試験
システムアーキテクト試験
ネットワークスペシャリスト試験
ITサービスマネージャ試験
情報処理安全確保支援士試験
は、平成30年12月21日(金)正午 発表です。
さて、発表されたうちの「基本情報技術者試験」について確認してみましょう。
社会人:受験者数25,441名、合格者数5,980名、合格率23.5%
学生:受験者数19,148名、合格者数4,794名、合格率25.0%
なんという事でしょう!
いくら「基本」だとは言え、社会人が学生に合格率で負けているではありませんか!?
これは、「基本情報技術者試験」は実務よりも机上での学習時間で合格率が上がると考えれば、より時間の取れる学生の方が合格率が高いというのも頷けるかもしれません。
では、IT系企業で働いている方はどうでしょうか?普段業務で得た知識によるアドバンテージがあるのでかなり合格率が高いかもしれません。
IT系企業勤務:受験者数19,383名、合格者数4,228名、合格率21.8%
非IT系企業勤務:受験者数6,058名、合格者数1,752名、合格率28.9%
非IT系企業勤務の方の圧勝です。
これはどう分析すれば良いのでしょうか。ウサギとカメのように、IT系勤務の方が油断して試験勉強を怠っているという事なのでしょうか?
受験者の平均年齢を見てみると
応募者:26.6、受験者:25.8、合格者:25.0
明確に若い方のほうが合格しているという事がわかります。しかも、19才の方の方が26才以上の方よりも合格率が高いという事実!
経験年数別に合格率を見てみますと
未経験:27.9%
1年未満:35.2%
2年未満:32.3%
2年以上4年未満:29.1%
4年以上6年未満:29.6%
6年以上8年未満:29.8%
8年以上10年未満:24.0%
10年以上12年未満:22.3%
なんと恐ろしい事に、経験を積めば積むほど合格率が下がるという事が発覚。先程のウサギとカメの理論が正しいような気がしてきました。
はっきり言える事は、実務経験の無い学生や、非IT系の社会人の方が、IT系社会人より高い合格率で合格しており、経験の浅い若手の方が合格率が高いという事実です。
つまり、きちんと対策すれば、経験と関係なく合格できる試験だという事ですね。
以前の記事 でも書きましたが、基本情報処理技術者はシステムエンジニア、プログラマの登竜門です。若手IT系技術者の方は、「若手」と呼ばれている間に、しっかりと対策をして、合格を目指しましょう。