今年の年末年始、人によっては大型連休という方もいるのではないでしょうか。ゆっくりテレビを観てすごすのも良いですが、この機会に「ビジネス書」を読んで自己啓発に努めてみるのはいかがでしょうか。
(2018年12月25日 企画推進室)
おススメのビジネス書
1.「プロフェッショナルの原点」-P.F.ドラッカー
マネジメントの父とも呼ばれる、ドラッカーの遺作。
「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」でドラッカーを知ったという方も多いかもしれませんね。
ピーター・ファーディナンド・ドラッカーは、思想家、社会生態学者、経営学者として数々の著書を発表していますが、この本は、その数々の著書からよりすぐりのアドバイスを集めた、成果を出すための姿勢と行動を示した名著です。
とても読みやすく、ドラッカー最初の1冊としてオススメです。
ドラッカーの著書で、「プロフェッショナルの条件」というタイトルがあり、こちらは「はじめて読むドラッカー」シリーズなのですが、じっくり読むのに適しています。
一方、「プロフェッショナルの原点」は、名言集のようなスタイルで、よりライトに読み進める事ができます。
2.「7つの習慣」-スティーブン・R・コヴィー
効果性の高い人生を歩むための、大切な習慣を教えてくれる1冊。
いろいろな実例を上げながら、7つの習慣を自分自身に徐々にインストールしていきます。短期間に効果を上げるのではなく、人生という長い期間をかけて効果性を発揮するためには、何をすべきなのか。
何度読んでも、考えさせられます。
私の知り合いで、「心がざわついた時に読む精神安定剤」と言った人がいましたが、なかなか的を射る表現だと感心してしまいました。
3.「人を動かす」-D・カーネギー
内容は悪くないと思います。読んでみて損は無いと思いますが、翻訳の問題か、回りくどい表現があったりして、少し読みにくい気がします。タイトルもあまりよくありませんね。
もともと、話し方を教えていた人なので、「話し方入門」という本も出しています。こちらも、人前でスピーチをする人にとっては必読かもしれません。同じように、回りくどい内容ですが。
どちらの本も何度か読み返してみましたが、何度も読むと味わいが出てくる「スルメのような本」だと思います。
4.「京セラフィロソフィ」-稲盛和夫
京セラやKDDIの創業、JALの再建などで有名な稲盛和夫氏の代表的な著書。
稲盛和夫氏は多くの著書を発表していますが、京セラ内部と、経営塾「盛和塾」でしか読むことのできなかった、「京セラ」の経営哲学を一般に公開した書籍になります。
稲盛和夫氏の考え方、哲学が網羅された質・量ともに充実の一冊。時間をかけてゆっくり読むのに最適な本です。
なぜ「京セラ」や「第二電電(現KDDI)」が成功できたのか。その答えこそが、この「京セラフィロソフィ」です。
5.「ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か」-エリヤフ・ゴールドラット
イスラエルの物理学者である、エリヤフ・ゴールドラット博士が、トヨタ生産方式をはじめとした、日本で経験則的に行われていた方式を分析し、理論建てた「制約条件の理論(TOC)」を小説形式で発表した書籍です。
日本の貿易不均衡を解消するため(当時は日本が強かった)、日本語翻訳を2001年まで許可しなかったとの事。
また、制約条件の理論に基づき開発されたプロジェクト管理手法である、「クリティカルチェーン・プロジェクトマネジメント(CCPM)」に関しても、SEであれば、一度は学んでおく事をお薦めします。(「Critical Chain」や、解説本も多数出版されています)
ちなみにCCPMに関しては、中小企業庁の「ミラサポ」に執筆しておりますので、気が向いたら一読してみて下さい。
今回は、私自身が深く影響を受けた古典や有名な本を集めてみました。あえて1冊選ぶとすれば、(ドラッカー学会会員としては)やはりドラッカーでしょうか。「プロフェッショナルの原点」は、プロとしてどういう行動をとるべきかを教えてくれます。
しかし、「7つの習慣」も私の人生を変えてくれた名著ですし、「京セラフィロソフィ」も、仕事をするという事はどういう事かという哲学を示してくれます。
人類は文字を手に入れた事で、1人の頭の中を外に取り出し後世に伝える事に成功しました。その蓄積が今日の文明の発展の礎になった訳です。そして本こそが、その蓄積そのものです。
ぜひ、まとまった時間に名著に触れてみて下さい。
今回が、今年最後の私の投稿になります。
今年お世話になった皆さま、本当にありがとうございました。来年も皆様にとって良いお年でありますように。