慶應義塾高等学校、甲子園優勝おめでとうございます。私は普段、野球を含めたスポーツをほとんど見ないのですが、盛り上がりを見せる試合だけ気になるタイプです。慶應は107年ぶりの優勝という事ですが、その選手育成についていろいろと興味深い記事を読みましたのでご紹介させていただきたいと思います。
(2023年8月28日 企画推進室)
最後は人間力が大事
【甲子園】慶応・森林監督の著書がバカ売れ!
という記事を見かけましたが、『2020年に森林貴彦監督が出版した「Thinking Baseball――慶應義塾高校が目指す“野球を通じて引き出す価値”」』という書籍が人気らしいです。
この本にも、慶應躍進の秘密が出ているかもしれませんね。
私が注目したのは致知出版のこちらのインタビュー記事です。
慶應では2年前から、『致知』という月刊誌(各界各分野で様々な道を切り引いてこられた方々の体験談なんかを記載したビジネス書)使って勉強会をされていたそうですが、その勉強会を通じての選手の変化について、インタビューではこう書かれていました。
一流の方々の生き方に触れ、お互いの感想文発表を聞く中で、「今度から積極的にやろうと思いました」「率先して難しい役を引き受けてやってみようと思いました」というように、物事を自分自身のあり方に関連づけて考えられるようになってきた
・・中略・・・
試合に出ていないメンバーでも、「チームにどうやって貢献したらいいだろうか」「具体的な何か行動として自分を変えていこう」「こういうふうに僕は心がけてます」という感想や発言が増えていて、とても頼もしく思っています
そして、このようにしめくくられています。
レベルが上がってくればくるほど、技量や体力の差は、本当に紙一重です。逆に言えば、その紙一重を制するかどうかは、技術以外のところ、人間力の部分にあるということです。
「最後は人間力が大事だよね」と信じて取り組んできたことが、今回の優勝によって間違っていなかったと証明された。
私も本当にそう思います。
「四書五経(ししょごきょう)」(東洋古典の代表的な九つの経典)の中の『大学』の冒頭に
「物に本末あり、事に終始あり。先後するところを知れば、則ち道に近し」
とあります。
「本学」と「末学」という言葉がありますが
「末学」とは技術や技能と言ったものに関わる学びであり、「本学」とは人間如何にあるべきか、人生如何に生きるべきかと言った「人間学」に関する学びとの事。
つまり「人間力」=「本学」で、「末学」を学ぶ上でもベースとなるものだそうです。
スポーツに限らずビジネスにおいても、スキルや能力は当然に必要です。
それを磨いていく事は大前提ですが、成功をつかみ取る部分において重要なのは森林監督のおっしゃるとおり、「技術以外のところ、人間力の部分にある」のだと思いました。
自分がやるべき事は何かを考え、行うべきことを正しく地道に行う。
その中で培ってきたものが自分の血肉となり、自信となって前に進む原動力になるんだと感じています。
コミュニケーション能力が大切。チームワークが大切。一人ひとりの長所を活かす事が大切。
全部正解だと思いますが、やっぱり「最後は人間力が大事」ですね。