「組織にとって大切な事は何ですか?」漠然とした質問で答えにくいかもしれませんね。今回は「バーナードの組織論」から引用してみたいと思います。
(2022年04月11日 企画推進室)
バーナードの組織論
人が集まり「組織」を形作る時に大切な事とは何でしょうか?
そもそも「組織」とは何でしょう。「集団」と何が違うのでしょうか?
社会科学における組織(そしき、(英: organization)は、共通の目標を有し、目標達成のために協働を行う、何らかの手段で統制された複数の人々の行為やコミュニケーションによって構成されるシステムのことである。
「組織」に対する学問的アプローチとして様々な実験や組織論が語られていますが、アメリカの経営学者であるチェスター・アーヴィング・バーナードが組織をシステムとして定義して、その成立のための条件として組織の3要素を提唱しています。(「経営者の役割」1938年出版)
- 共通目的(組織目的)
- 協働意志(貢献意欲)
- コミュニケーション
バーナードは1938年当時、労働者を機械のようにとらえていた時代に、「自由な意思を持って自由に行動する存在」として集団と組織の違いを3点にまとめました。バーナードの組織論は非常に有名で、現代においても「組織」を語る時に、多くの方に引用されています。
組織には目的が必要です。人は命令や権威によってのみ動いている訳ではなく、一人一人が共通目的として受け入れるからこそ「組織」として成り立つのです。
また、仲間と共に協働して達成することなしに、組織は成り立ちません。野球やサッカーのチームの例を出すまでもなく、一人ひとりがバラバラに動いていたのでは、チームとして成り立たない事が容易に想像できます。
そして、人と人との情報伝達が上手くいかなければいけません。
組織を人体と捉えた時に、頭脳からの命令が手足に届かなければ、人は歩く事もできず、また逆にケガや物にぶつかった事すらわかりません。
どうでしょうか。
良いチーム、組織には、この3要素が十分に機能しているのではないでしょうか。
逆に、会社や部署、チーム、あらゆる組織において何か問題が発生している場合、この3要素を思い浮かべると課題が見えてくるかもしれません。