PDCAは時代遅れなのか?/企画推進室

PDCAサイクルという言葉はご存知でしょうか。PDCAサイクルとは、Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)を繰り返すことによって業務を継続的に改善し、より良い答えにたどり着こうという、品性やプロセスの改善手法です。生産技術の現場を中心に改善手法としてメジャーとなったPDCAサイクルも、変化の激しい現代においては時代遅れという話がでてきいます。

(2019年6月17日 企画推進室)

PDCAを否定するDCPAサイクル

マッキンゼー、Google、リクルート、楽天など12回の転職を重ねた尾原和啓氏の著書『どこでも誰とでも働ける』で「PDCAサイクルの否定」として紹介されているDCPAサイクルをご紹介します。

少し前までは、プラン(計画)を立ててドゥ(実行)し、結果をチェック(検証)して次のアクション(改善)に結びつける「PDCA」サイクルを何度も回せば最適な答えが見つかるといわれていました。しかし、すでにこのアプローチは周回遅れになりつつあります。プランづくりに時間がかかりすぎるという致命的な問題があるからです。

ネット時代にふさわしいのは、とにかくどんどん実行してみて、あとから軌道修正をはかるDCPAです。より正確には、DC→DC→DC→DC→……とドゥとチェックを短期間で何度も繰り返して、とにかく答えを見つけること。求められているのは、できる限り速く(あるいは限られた期間内に)結果を出すことだからです。

もうPDCAの時代じゃない!恐れずに「DCPA」サイクルへ – DIAMOND online

少しわかりにくいかもしれませんが、

実現可能かを考え、検証と準備に時間をかけている暇があればまずやってみる。という事です。できるかできないかではなく、やるかやらないかという事だと思います。

失敗してもいい。10回中9回失敗しても、すぐ取り掛かっていればすぐ結果がみえる。失敗すれば軌道修正をしていけばいいだけなのです。

失敗できないというプレッシャーから解放しないとイノベーションは生まれないという事でしょう。確かにこの考え方は重要です。

この考え方は随分広がってきているようです。

「まちづくりにおいては基本的にリソースが足りないので、「まずはやってみる」が基本なんですね。いわば「DCPA」なんです。普通は Plan → Do → Check → Act の順ですが、先にDoして、Checkで振り返り、Planに落としこんで、Actにつなげていく。できることから始めると、その結果として、次にやることが見えてきたり、できることが増えていくんです。それは企業内でプロジェクトに取り組むときにも大切なことだと気づきました。」

“PDCA”から”DCPA”へ!富士通研究所の原田博一さんが実践する、イントレプレナー的働き方とは? [企業内起業家論] | greenz.jp

 

個人であってもDCPA

人生は計画通りにいかない事の方が多いと言えるでしょう。

スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授の「計画された偶発性理論」で「個人のキャリアの8割は予想しない偶発的なことによって決定される」とし、その偶然を計画的に設計して自分のキャリアを良いものにしていこう、というキャリアパスに関する考え方に近いと言えるかもしれません。

会社にとっても個人にとっても、これからの時代は「やってみる」、まさしくクランボルツ教授の「計画された偶発性理論」の実践が大切なのだと思うのです。

「でも、会社はともかく人生をそんなに簡単に決断できない」

と思われる方も多いと思います。

思うようにいかなかったらどうしよう?決断した事が間違いだったらどうしよう?

こんな心配事で頭がいっぱいになるかもしれません。

心配事の96%は起こらない

米国ミシガン大学の研究チームが行った調査によると、心配事の80%は起こらないとされています。起きるのは残りの20%ですが、そのうちの8割は、あらかじめ準備して対応すれば、心配事には至らずに解決できるそうです。つまり、そのときにならないと手の打ちようのない「本当の心配事」は全体の4%にすぎないのです。

出典:佐藤富雄の名言 厳選集

準備さえしてさえいれば、心配事の96%は起こらないのです。

それでもトラブルが起こって悩みで眠れなくなった時には・・・この記事を読んでみて下さい。

・・・あれ?DCPAって計画しないのでは?準備ってどうゆう事?

やっぱりPDCA

実は私個人の意見として「PDCAはもう古い」という事はないと思っています。

どんな実行であっても、計画が重要なのは間違いないという考えです。「DCPAサイクル」だ、と言っている人もまったくの無計画という事は無く、実は計画を立てているのだが、その計画に費やす時間や、計画のスパン(どれぐらいの未来まで計画を立てるか)というのが、ものすごく短いだけなのだと思います。

 

未来を見通せる人はいません。経済の状況や法律、社会状況がすべてわかる人は神様以外にあり得ないのです。だとすると、そんな不確実なものを探るために何か月も費やして機会を逸するぐらいならざっくりと計画を立てて、とにかく始めよう!という事。

とは言え、PDCAでもDCPAでも、一番重要なのはCheck(評価)とAct(改善)

これを忘れれば、失敗はただの失敗に終わります。逆に言えばこれさえ忘れなければ、

失敗は「失敗では無い」

という事ですね!

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