単なる井戸端会議 パート147

『内定式2019』

 

(2019年11月 5日 福嶋 昭)

今年も来年四月に入社さえる人達の内定式を行いました。

イベントは内定式、ボーリング大会、懇親会という構成が多いの

ですが今年は内定式、食事会、脱出ゲームでした。

 

内定式、食事会は事務所で行い、その後脱出ゲームの会場へ

移動し内定者の人達と社員さんが協力して皆でクイズを解いて

部屋から脱出するゲームに挑戦しました。

部屋の中のアイテムを集めて「あーでもない、こーでもない」と

クイズを皆で解いていく姿をソファーに座りながら私は嬉しく

見ていました。

 

私が想像していたクイズとは違い、アイテムを集め、発想力で

クイズを解いていく名探偵コナン君のようなゲームで頭の柔ら

かさがないと解けない内容です。

内定者の人達と社員さんの距離を縮めるには面白い企画で

企画を立てる時点から発想力だなと思いました。

 

食事会や脱出ゲーム、ボーリング大会の企画は今年四月に

入社した新卒の人達と諸先輩が企画、準備、運営を行って

くれます。

 

私は挨拶が主な役割ですが毎年の内定式で話した内容を

ブログに残すようにしています。

今回も内定式での社長挨拶を思い出しながら綴っておきます。

 

 

 

―― 『内定式2019』

 

こんにちは。「内定者の皆さん、本日はおめでとうございます」

改めまして(株)エクステック代表の福嶋でございます。

少し緊張されていますか?

 

これから内定式、夕食会、脱出ゲームと始まりますが少しでも

皆さんとの距離が近くなればと思っています。

社長挨拶も気楽に聞いて下さい。

 

エクステックの拠点は大阪と東京にあります。私はその2拠点

を行ったり来たりする生活がもう20年近く続いています。

私も皆さんがこれから目指して頂くエンジニアでした。東京にも

拠点が出来た頃から社長業に専念するようになり夜の会食と

いったお付き合いも増えました。

 

エンジニア時代は仕事が終わるとまっすぐに帰宅する日々で

した。私は凄くお酒を飲みそうに見えると思いますがほとんど

お酒は飲めません。

ですから、お酒の席の要領が分からない、洒落たお店も知ら

ない、そういった場でのカラオケの付き合いもしたことがない。

そこに人見知りが重なりお付き合いはあまり得意ではありま

せんでした。

 

お酒が飲めないのは体質なので仕方ないとして、身内での

食事をする時には出来るだけ同じお店には行かないようにし

お店のレパートリーを増やしていきました。

 

カラオケに関しては本当に嫌で、嫌で、仕方なかったのです

が何とか一曲だけでもそういう場で唄えればと思いました。

当時ウォークマンを購入し家内チョイスで曲を入れてもらい

ました。ウォークマンは分かりますか?知っているんですね。

当時はカセットテープに曲を録音して聞いていました。

 

その時、カセットテープに何の曲が入っていたと思いますか。

これがイナゴライダーの「空に唄えば」です。

やりやがったなぁ。ロックじゃん。接待ではうるさくて使えん

やん。と言いながらも、一応覚えました。

 

そうやって自分なりのお付き合いも徐々に苦手でなくなり

「お昼10回営業するよりも夜に1回食事した方が、距離が

近くなるな」と感じるようになりました。

 

自分なりのお付き合いができるスキルもつきましたのでその

回数が増え、帰宅する時間も遅くなっていきました。そんな

ある時に家内から私の携帯にメールが来ました。

 

タイトルは『不良中年様へ』です。

ちょっと怖そうなタイトルですよね。内容想像出来ます?

 

ぽちっとボタンを押してメールを開いてみますと

「うちの旦那は何処に行ったのでしょうね。」と書いてありま

した。「ぞぉー」とする怖そうな内容に見えますが、

実はこの歳になってようやく人との付き合い方や遊び方を

覚えましたねという意味です。

 

カラオケの一曲目がイナゴライダーだし、不良中年様へ

メールが届きますし、うちは家内が一枚も二枚も上手です。

 

家族は大阪に住んでいますので生活拠点は大阪です。

ただ、東京に行くたびにホテルを取って、荷物を持ち運び

するのも大変なので東京にも住居を借りています。

 

そうしたお休みの朝、特に一人でいる東京では早くに目が

覚めます。

日曜日の朝5時くらいから関西テレビで「テレビ寺子屋」と

いう番組が放送されています。

毎回、講師の人が自分の経験や考えを元に色んな話しを

してくれます。

 

以前会社ブログにも書いたのですが「相田みつを」さんと

いう詩人をご存じですか?皆さん知っているんですね。

皆さんの身近では、日めくりカレンダーでご存じかもしれ

ませんね。

その長男の相田一人さんがテレビ寺子屋に出演をされて

「相田みつを」さんの詩についてお話しをされていました。

 

「相田みつを」さんが書かれている詩は日頃感じている事、

気付かされる事、身近なものが多く、詩がスーっと自分の

中に入ってきます。

 

例えば、番組の中で紹介された詩の中に『他人のものさし

自分のものさしそれぞれ寸法がちがうんだな』という詩が

ありました。

 

ものさしの意味は人によって考え方や個性は違いますよ

という事を指しています。自分が正しいと思っても相手が

同じように正しいと感じないこともあります。

 

また、同じ言動でも相手によって受け取り方が異なるので

自分では思っていなくても相手を傷つけている事があります。

よくニュースで問題になっているセクシャルハラスメントは

その代表だと思います。

 

相田みつをさんが定義する教養とは何だと思いますか?

それは学問や知識ではなく、どれだけ相手の立場にたって

理解が出来るかという事です。

 

また、番組では次のような詩も紹介されました。

『アノネ親は子供をみているつもりだけれど子供はその親

をみているんだな親よりもきれいなよごれない眼でね』

これは私達も、今ここにおられる内定者の皆さんにきれいな

よごれない眼で見られていると肝に銘じないといけない

ですね。模範になれるよう頑張ります。

 

番組の中で長男の相田一人さんが小さな時にお父さんと

交わした会話も紹介されていました。一人さんが漫画を

読んでいた時に、

「どんな漫画を読んでいるの?」「忍者漫画」

「どんな内容なの?」「正義の伊賀と、悪者の甲賀のお話」

 

伊賀が正義というのは伊賀の見方で、甲賀から見れば

甲賀が正義で、それぞれの立場から見ないといけないよ

という事です。

幕府と薩長も同じで物事は両面から見ないといけないよ

というお話しでした。

 

私達の業界では、システムエンジニアが設計したものを

プログラマがプログラミングをします。

その時にPGからSEに「何でこんな設計になるんですか?」

また、SEからPGに「何でこんなプログラミングしているの?」

SEとPGそれぞれの言い分が異なる事があります。

 

それは一生懸命考えて仕事をしているからこそ、お互い

に見えてくる疑問なので悪い事ではありません。もちろん、

本当に設計やプログラミングが間違っている事もあるの

ですが。

 

相手の立場に立って考えてみた時に「あっ、そういう事を

考えていたのか。」と思う事が沢山あります。そうした相手

の立場からも物事を見る事を心掛ける仕事をしていれば

品質も自分自身のスキルも更に向上します。

 

『かねが人生のすべてではないが有れば便利 無いと不便

です便利のほうがいいなぁ』

これは会社というよりも愛情は大切だけど、お金も大切だよ

という「理想」と「現実」の夫婦の詩でもあるなと感じました。

 

『べんかいのうまい人間 あやまりッぷりのいい人間』場合

にもよるのでしょうが、べんかいに時間を使ってどんどん

ドツボにはまり、自分の立場が不利になるよりも素直に

あやまったほうが先に進みますよという詩のようです。私も

今までに幾度となく納得の場面が満載です。

 

最後にですが、次の詩は分かり易くて本当に共感でき良い

詩だと思います。『セトモノとセトモノ ぶつかりッこすると

すぐこわれちゃう どっちかやわらかければ だいじょうぶ

やわらかいこころをもちましょう。』

 

お互いに衝突して引けなくなる事があります。どちらかが

やわらかな対応をすると相手もやわらかくなれます。

どちらも自分を押し通し、意地のぶつかり合いになると誰も

得することはありません。

 

皆さんには『相手の事を考え想いやれる、やわらかいこころ

を持ったそんなエンジニアに成って下さい。』

これを持ちまして簡単ではございますが私の内定式のご挨拶

とさせて頂きます。

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