『平熱』
(2023年 4月 3日 福嶋)
本日は今年度新卒入社式でした。
この時期は毎年楽しみであると同時に社長挨拶と花粉で悩む季節でも
あります。今年は久しぶりに上野公園や浅草、靭公園で花見を楽しみ
ました。毎年、毎年、平和で桜を楽しめる日本が永久に続いて欲しいと
思います。
今年も入社式でお話しした内容を忘れないようアップさせて頂きます。
『平熱』
株式会社エクステックへのご入社おめでとうございます。
コロナ禍で皆さんの大切な学生時代に多くの規制や要請があって、我慢
をする事も多かったと思います。今日からスタートする社会人としての
新たな時間の中で、その分を沢山取り戻して下さいね。
コロナ禍になってからは少し体調が悪かったりすると体温を測る習慣が
つきました。ライブや施設、飲食店の利用時など、人が集まる場所では
未だに検温をお願いされる事もあり、その時に37℃台が出たりすると
「ちょっとまずいかも」と微妙ですよね。
私の平熱は少し低めで36℃前後です。
平熱は人種や筋肉量などによって異なるようで、体を鍛えている筋肉質
な人は平熱が37℃を越える人もいるようです。私の場合、贅肉質です
から36℃前後は、そういう事かと納得しました。
そんな平熱ですが、コロナ禍になるまでどうして、平熱は36℃~37℃
なの?あまり気にしたことはなかったのですが、気になって調べてみた
事があります。
皆さんも理科で習ったように、哺乳類である私達人間は自ら体温を一定
に保つことが出来る恒温動物です。
酸素や食べ物を摂取して、エネルギーを得る事で体温を一定に保つ事が
出来ます。
哺乳類の肺は肺胞と呼ばれる器官が出来た事で、体内に取り入れる酸素量
が大幅に増加しました。その結果、体で作り出す事の出来るエネルギー量
も大幅に増えました。
空気だけを食べて生きていく事が出来れば良いのですがそういう訳には
いきません。もっとも、仮に空気だけを食べて生きれるとしても食事の
楽しみを取られるのは凄く嫌ですが。
人が活動する為のエネルギーを作り出すには食べ物が必要です。人は絶え
間なく呼吸を行い、酸素を体内に取り入れないと生きる事ができませんが、
食べ物も同じように絶え間なく摂取し続けないといけないという事になる
とこれも大変な事です。
よって、食べ物から得るエネルギー量は湯水のごとく体の中にあふれ出て
くるものではないので、効率良く省エネモードの運用をしなければいけま
せん。その省エネモードでエネルギーを運用する事ができる適切な体温が
36度から37度だという事のようです。
空気だけで生きられる人や絶え間なく食べ続けれる人が出てきたら人の
平熱は変わるかもしれませんね。
また、人は病気になると熱が出ますが、何故熱が出るのでしょう。
私は60年間、病気をした時に体温が上がるのは病原菌のセイだと思ってい
ました。病原菌によって体がダメージを受け、体温が上がると思っていま
した。でもそれは間違いで、病原体と戦う為に脳が自ら体温を上げるよう、
体に指示しているというのが正解のようです。
病原体の侵入を見つけた免疫細胞は、病原体を攻撃して、脳にその事を
伝えます。脳にその伝令が伝わると脳は体温を上げるよう体に指示を出し
ます。
指示を受けた人の体は寒いと感じ、厚着をし、布団に入る事で、体を温め
ます。と同時に、体温を上げようと血管が収縮して放出する熱を抑え、
筋肉をふるえさせることで熱を作り出します。これらの活動により、体温
が上がります。これは「シバリング」という現象だそうです。
寒い時に「ぶるぶる」震えるのは、能が発熱を行うよう強制的に運動を
させているのですね。寒くもなく、緊張やストレスもない時に震えるのは
違う要因ですのでその時は速やかに病院で診てもらって下さい。
平熱に近い体温だと病原菌は増殖し易いのですが、38℃、39℃まで体温が
上がると病原菌の増殖速度が鈍り、免疫細胞の活動は活発になります。
自分では意識していないですが体の中では凄い指令官が居て、優秀な人達
が病原体と戦っているんですね。
流石に40℃までになると、体の方がへばりますが。
病気になって体温が上がるのは体を守るための闘いが始まった合図です。
という事は、熱が出た早い段階で薬を飲んで強制的に熱を下げる行為は
凄い指令官への反逆行為にもなるので、考えものだなと思えてきます。
ただ、発熱によるけいれん等もありますから、お医者さんにかかって適切
な治療をして頂くのがやはり一番ですね。病気の時は早め早めでかかり
つけの病院で診てもらって下さい。
小学生の時に朝起きると熱が出ていた事があり、その時に両親が私にとった
行動が不思議で今も覚えていました。
汗をかかせようと布団を何枚も被せ、たっぷりの汗をかかせられ、汗だく
になった下着を替えさせられました。
少し強引な方法で正しいとは思いにくいのですが、もしかしてそういう事
だったの?まさかねぇ!?そんな知識があったの?体温を上げさせる為?
今更ですが、今度聞いてみようと思います。
入社式の社長挨拶で、何で平熱と発熱のお話しやねん、と思ったかもしれ
ませんが、これから皆さんが長く仕事とお付き合いをしていく上で健康が
第一です。
もちろん、無理してでも頑張らないといけない時や大きな病気と上手く
付き合わないといけない時も来るかもしれません。その時は会社も一緒に
寄り添い頑張ります。
でも、まずは皆さんご自身でご自身の健康を日頃から管理していく事が
大切です。これから皆さんと長く一緒にお仕事をやっていきたいので、
日頃から健康を心掛けて下さいねという想いを込めて平熱と発熱のお話し
をさせて頂きました。
昨年亡くなられたアントニオ猪木さんの特集をNHKで見ました。
猪木さんが陰でどんなに人々の為に尽くしていたのかという事が描かれた
内容で感動しました。一時代を築いた有名なプロレスラーが政治家に
転身した程度にしか見ていなかった事を本当に申し訳なく思いました。
その猪木さんの名言中の名言で「元気ですかー! 元気があれば何でも
できる」という名言があります。元気でご存命であればまだまだ人に
見えないところでも沢山努力をされたのだと思いますし、やり残した
事も多く無念だったのだろうなと思います。
「元気があれば何でもできる」今更ですが、深い言葉だなと思いました。
皆さんも、今日から歩む長いエンジニア人生「元気があれば何でもで
きる」で、頑張り過ぎずに、頑張って下さい。
最後に皆さんと出会えて今日から一緒にお仕事が出来る事に感謝してい
ます。これからよろしくお願いしますね。
簡単ではございますが、私の祝辞とさせて頂きます。
株式会社エクステック 代表取締役 福嶋 昭