『初心忘るべからず』
(2014年 4月 7日 福嶋 昭)
ようやく春らしく暖かい日になってきました。
4月に入り、新たに社会に出て働き始めた方達を見ると初々しく
ついつい微笑んでしまいます。
時間厳守、挨拶、言葉遣い、相手のお名前、電話取り、名刺
交換、社内ルール、報告書、飲み会、ギャ~・・・自分のやりたい
業務にたどり着くまでにも多くのハードルがありますね。
希望と不安の中、覚える事も多く大変だと思います。
私の場合はしっかりした考えや目標を持っていなかった事や
人見知りもあり、「 希望 < 不安 」のスタートでした。
やりたい仕事にたどり着き面白く感じるには辛いと思う時期を
乗り越える必要があり、よくスポーツに例えてお話しをする事
があります。
試合で勝てなくて勝つためには毎日の辛い練習が必要です。
最初は辛い練習から逃げ出したくなりますが少しずつ勝ち
始めると勝つ楽しさを覚え辛い練習さえ楽しく感じ更に上を
目指せるようになります。
その不安や辛い事を乗り越えた時にはそれまでの努力が
自分の財産になるので頑張って下さいね。
―― 『初心忘るべからず』
こんな話しをしていると久ぶりに新人だった時の事を思い
出しましたので少しお話しをします。
私は初めてお世話になった会社で新人研修を受けました。
大阪の所属でしたが栃木の研修センターで一ヶ月の研修
合宿に参加しました。
まずは、新人十数名で新大阪から栃木の研修センターに
移動をしました。
研修センターに到着すると周りは山と田んぼの中に大きな
施設がありました。
朝早くに起床してラジオ体操、ランニグから始まります。
その後はその日のスケジュールに沿って社会人としての
マナーや業務等を色々学びました。
割り当てられた部屋の押し入れに隠れ授業をさぼる者、
時間短縮のためか二階の窓から飛び降りる者、という
同僚達もいました。
30年経ったので時効でいいとは思いますが。
確か、いずれも見つかって会社に報告されたと思います。
娯楽と言えば研修センターの隣に小さなパチンコ屋さん
と少し離れた所に雀荘がありました。
夜の食事を終え門限ギリギリまで雀荘にいて暗いあぜ道
の中を慌てて戻ったのを覚えています。
当時、携帯電話はなく研修センター内の公衆電話は順番
待ちでした。長距離電話でテレホンカードもまだなかった
ので公衆電話ボックスのお金がいっぱいになり電話でき
ない事も多々ありました。
金曜日の夜から日曜日門限までは外出が許可され同僚
全員が申請を出したと思います。
大きく二つのグループに分かれ外出を楽しみました。
ひとグループは気の向くまま東京を満喫。
もうひとグループは私の友人宅に泊めてもらい、日光を
案内して頂きました。
私は初めての日光でした。
いろは坂、華厳の滝、日光東照宮と少し雪の残る4月に
楽しい時間を過ごさせてもらいました。もう一度行ってみ
たいと思いながらまだ行けていないのですが。
日曜日の門限までに少し時間を残し研修センターに戻る
と既に東京満喫グループは戻っていました。
話しを聞いてみると夜の東京資金切れで早目に戻ること
を余儀なくされたそうです。
それはそれで思い出に残ったようです。
その後、研修センターから大阪に戻り一緒に仕事をする
中でも失敗や若気の至り色んな事がありました。
私は何度か転職を繰り返しましたがたまにその会社を
訪問すると今もまだ勤務している仲間達は懐かしく迎えて
くれます。
その会社で勉強させて頂いた事、その後の転職した会社
で勉強させて頂いた事、エクステックで勉強させて頂いた
事、現在も未来も勉強させて頂く事ばかりです。
幾つになっても無駄な勉強、無駄な経験は何ひとつないです。
「初心忘るべからず」ですね。