エクステックの業務の一つは受注開発(お客様からお仕事をいただいて自社で開発すること)です。
ご依頼いただいてから要件定義の上で開発を実施していくので、お客様からの希望を叶えたシステムを納品しているのですが、最近システム屋としての目線とお客様目線のすり合わせが非常に大切だと感じています。そう申しますのも、お客様からの問合せで「すでに利用していて分かっているユーザ向けのシステム」になっているなと気づかされることがあるのです。
そんな気づきをもとに顧客目線のシステムとはどんなものか振返ってまとめてみました。
顧客目線のシステムとはどんな設計なのか
例えば、あるECサイトのシステムを設計する場合、顧客目線では、以下のような点が重視されます。
- 直感的で使いやすいインターフェース
- レスポンスの速さ
- パーソナライズ機能
- トラブル時のサポート
顧客が迷わずに商品を探し、購入までの手順をスムーズに進められるように設計すること。
ページの読み込み速度や処理速度が速いことは、顧客満足度に直結します。
顧客の過去の購入履歴や閲覧履歴を元に、関連性の高い商品を推薦するなど、個別対応をする機能。
問題が発生した際にすぐにサポートを受けられる体制(チャットサポートやFAQの充実など)が整備されていること。
顧客目線システム設計のメリット
顧客目線でシステムを設計することには、いくつかの大きなメリットがあります。
- 顧客満足度の向上
- 競争優位性の確立
- 長期的な顧客維持
顧客が求めるものをしっかりと提供できるシステムは、顧客満足度を大きく向上させます。ユーザーが使いやすいと感じるシステムは、再訪率を高め、最終的にはロイヤリティの向上に繋がります。
顧客目線のシステムを提供することで、競合他社との差別化を図ることができます。たとえば、顧客が使いやすいシステムを提供する企業は、同じ商品やサービスを提供している企業に対して優位に立つことができます。
顧客目線を意識したシステムは、顧客にとって使いやすく、価値を感じてもらいやすいです。結果として、リピーターが増え、長期的な顧客維持につながります。
顧客目線システム設計の実践方法
顧客目線のシステムを実現するためには、いくつかの実践的な方法があります。
- ユーザーインタビューとフィードバック収集
- ユーザビリティテスト
- データ分析の活用
顧客の実際の声を聞くことは非常に重要です。ユーザーインタビューやアンケート、サポートチームからのフィードバックを収集し、システム改善に役立てます。
システムが実際に顧客にどれだけ使いやすいかを確認するため、ユーザビリティテストを行うことが有効です。顧客の操作を観察し、問題点を洗い出します。
顧客の行動をデータとして収集し、分析することで、顧客がどのようにシステムを利用しているのか、どの部分でつまずいているのかを把握できます。このデータに基づいて改善を行います。
長くご利用いただいているクラウドサービスになりますと機能追加や改修を重ねていく内に、追加した部分についてお客様から「この項目はどこに繋がっているんですか?」と質問を受けるとハッとさせられるのですよね。木を見て森を見ずとでも言いますか、私たちは操作にも慣れているので「この一部分を修正すれば大丈夫!」と思っていても、いざUI上に表示させると「うわぁ、これはユーザ目線に立てていないことに気づけていなかったな……」と反省することに。
お客様からいただいた気づきを受けて修正をかけることもあれば、自分たちがユーザ目線に立って「やっぱり分かりづらいよね」と立ち返ることもしばしばです。
逆のパターンもあって、UIでは分かりやすいように見えてプログラム内部では処理がややこしく後々のメンテナンスが大変になってしまうこともあるので、実装前の仕様検討と設計は非常に大切な工程です。設計担当の方々には頭が上がらないですね。
そして、運用サポートはユーザからの「使いにくい」という声が上がる前に、ユーザ目線と開発目線のバランスを持って気づくことができる立場なのではないかとも思います。どちらかに偏りすぎず、並行して相手の目線に立つ能力が必要ですね。
システム開発には様々な役割がありますが、設計や開発だけではなく、お客様まで含めてシステムというものは作られていくのだと改めて思うこの頃なのでした。